「ちゃんと話さなきゃ」「ちゃんと振る舞わなきゃ」「相手に失礼がないようにしなきゃ」
そう思えば思うほど、なぜか言葉が出てこない。相手の顔色をうかがうほど、行動がぎこちなくなる。
そんな経験、ありませんか?
私自身も、人前に出ると“取り繕ってしまうタイプ”です。
初対面で空気を読みすぎて黙ってしまったり、緊張しすぎて言いたいことが言えなかったり。
例えば、私の苦手なことに美容室があるのですが、
美容師さんとお話しするときに、距離を置いてしまうから、と言うのが一つの理由です。
無意識で、相手は職業として私と向き合っているので、私が素をさらけるのは平等でない、
と思ってしまいます。
気づいたら、ちょっと自分の素とは違う返答をしていて、
その返答に矛盾のないようにと別の返答も素ではなくなる。
どんどん自分でない人が話の中にできあがってしまったことがありました。
「ちゃんとした私」を演じようとして、逆に本当の自分が消えてしまうような感覚になったのです。
でも、ある時気づきました。
取り繕えば取り繕うほど、人は「あなた」を感じられなくなる。
むしろ弱さや戸惑いを言葉にした瞬間、心の距離は縮まるのです。
■ 「弱さを言葉にする」ことは、誠実さを伝える行為
例えば初対面。
「ちゃんとしたこと言わなきゃ」と思って空回りしてしまう場面は、誰にでもあります。
でもそんな時は、無理に取り繕わなくていいのです。
「初めてで少し緊張しています。言葉がうまく出てこなくて……」
それを言える人って、実はすごく強い。
なぜなら、弱さを見せるには“相手を信頼する勇気”が必要だから。
そして、多くの人は思っているほど冷たくも、厳しくもありません。
弱さを言葉にした瞬間、そこに生まれるのは“安心感”です。
人は完璧な相手には近づけません。
近づきたいと感じるのは、同じように不完全で、同じように揺れる心を持った人。
弱さを共有できる相手ほど、信頼は深まります。
■ 取り繕いが起こす「本当の自分の遮断」
取り繕いが悪いわけではありません。
人間はそもそも、社会の中である意味自然に演じながら生きています。
でも、ちゃんとしなきゃと強く思うあまり、こんな現象が起こります。
・表情が固くなる 言葉が出てこなくなる
・自分の気持ちがわからなくなる
・ 相手の反応ばかり気にする
・ 「また失敗した…」という自責が増える
つまり、緊張があなたの魅力を覆い隠してしまうのです。
一番もったいないのは、
あなたの本来の良さ、温かさ、ユーモア、言葉のセンスが
取り繕いの鎧で見えなくなってしまうこと。
あなたの魅力は、本来もっと自然で、もっと柔らかくて、もっとあなたらしい。
■ 「取り繕わない自分」が生む、関係の深さ
正直に言えば、弱さを見せることには勇気がいります。
なぜなら、そもそも、なぜちゃんとしなきゃ、と思うかというと、
自分に自信がないからなのです。
私自身も、「変に思われないかな」「甘えてると思われないかな」と不安でした。
でも一歩踏み出してみると、驚くほど人は優しかった。
「言ってくれて嬉しいよ」 「緊張してたんだね、私もそうだったよ」
そんな言葉をくれる人の多いこと。
取り繕っていた頃より、
よほど人間関係が楽になり、温かいものになりました。
取り繕わなかった時に出てくる素のあなたこそ、
人に愛されるあなたです。
■ 最後に──あなたが思うより、あなたはそのままで魅力的
「ちゃんとしなきゃ」は、頑張ってきた証です。
責任感があって、真面目で、丁寧に生きてきた証拠。
でもその「ちゃんと」を少しだけ緩めることで、
初めてあなたの本当の良さが滲み出してきます。
取り繕わなくていい。
弱さも、緊張も、戸惑いも、あなたの一部。
その自然なあなたにこそ、人は心を開くのです。
私自身、今でも取り繕ってしまう事はあります。
それでもこの事実を知っているだけで、少し心が楽になれました。
少しずつ一緒に癒されていきましょうね。

