「自分を好きになりましょう」と言われても、どうしてもそう思えない時があります。
そんなとき、無理にポジティブになろうとするよりも、まず「自分の内側にいる子ども」に気づいてあげることが大切です。
■ インナーチャイルドとは
「インナーチャイルド」とは、子どもの頃に感じた気持ちや体験が、今の自分の中にそのまま残っている部分のこと。
誰の中にも、この「小さな子どもの自分」は存在します。
そして、成長の過程で「もっと褒めてほしかった」「泣きたい時に我慢した」「本当は甘えたかった」などの思いが満たされないまま、大人になってしまうことがあります。
その「満たされなかった思い」が、
「どうせ私なんて」「もっと頑張らなきゃ」といった考えを生み出し、知らず知らず自分を追い詰めてしまうこともあるのです。
■ “赤ちゃんのように見つめる”ということ
以前の記事で、「自分を赤ちゃんのように見つめてあげる」というお話をしました。自分を受け入れることの第一歩 -自分が好きになれない人へ-
これは、インナーチャイルドの癒しにもつながる、とても大切な視点です。
たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんが泣いているとき。
「泣いてはいけません」「ちゃんとしなさい」と叱る人はいませんよね。
お腹がすいたのかな、眠いのかな、抱っこしてほしいのかな――。
そうやって、赤ちゃんの気持ちを想像し、優しく寄り添うはずです。
自分の心に対しても、同じようにしてみましょう。
「私の中の小さな子が、何を感じて泣いているのか」
その声を聞いてあげる時間をつくるのです。
■ 自分でできる、優しいワーク
気づきのために、次のようなワークもおすすめです。
◎今感じている気持ちを、ノートにそのまま書く◎
文章でなくても構いません。○や×でも大丈夫です。 書いたあと、「この気持ちはどんな小さな私が感じているのかな」と問いかけてみる。 その子に声をかけるように、やさしい言葉を書き添える。 「怖かったね」「よく頑張ってたね」「もう大丈夫だよ」と。
最初はうまくできなくても構いません。
大切なのは、自分の感情を「否定せずに見つめる」こと。
それだけで、心は少しずつやわらかくなっていきます。
■ おわりに
「自分を好きになれない」と感じているとき、
それは「今のあなた」が悪いわけではありません。
心の奥で、小さなあなたが泣いているだけなのです。
「頑張ったことを褒めてほしかった」「よくできたと認めてほしかった」
その子を、赤ちゃんを抱くように、そっと包み込んであげてください。
あなたの中の小さな声を、どうか大切に聞いてあげてくださいね。
自分が自分を認めて、褒めてあげると、
実は周囲があなたを認めて、褒めていることに
気づいていくのですよ。


