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【医療福祉職のストレス理解】闘争‐逃走反応・一般適応症候群・タイプA行動パターンをわかりやすく解説

福祉と医療

はじめに

医療や福祉の現場で働く人は、常に高い責任感とストレスの中にいます。

「ストレスを感じる」とは言っても、実際に私たちの体や心の中で何が起こっているのかを知る機会は少ないのではないでしょうか。

ストレス反応を正しく理解することは、心身のセルフケアやバーンアウト予防の第一歩です。

今回は、ストレスを理解するうえで欠かせない3つの基本概念

「闘争‐逃走反応」「一般適応症候群」「タイプA行動パターン」について、医療・福祉職の現場に即してわかりやすく解説します。

これらは、看護師や社会福祉士の国試に出ることもある分野ですので、勉強する方にもお勧めできる記事になっています。

① 闘争‐逃走反応(fight or flight response)

どんな反応?

人が危険や強いストレスに直面したとき、体が「闘う」か「逃げる」かを瞬時に選べるように準備する反応です。人だけではなく、動物に本能的に備わっている反応になります。

特徴としては、自律神経のうち交感神経が優位になり、アドレナリンなどのホルモンが分泌されます。心拍数・血圧の上昇、呼吸の速まり、筋肉の緊張、消化機能の抑制などが、体内でおこります。

これは、命を守るための自然な反応です。

医療福祉の現場での例

緊急コールが鳴った瞬間、体が一気に覚醒して行動できる。 利用者の転倒を目撃したとき、反射的に駆け寄る。

このような反応は生理的な防衛反応ですが、長期的に続くと自律神経の乱れや慢性疲労につながります。

② 一般適応症候群(general adaptation syndrome)

概念

ハンス・セリエが提唱した理論で、ストレスに対する体の反応を3段階に分けて説明しています。

警告反応期 ストレスに直面して体が反応を起こす段階。

 1:ショック相 適応が獲得されていないため、一時的に抵抗力が低下する。体温、血圧、血糖 値などの低下、筋肉の弛緩が見られる。

 2:反ショック相 抵抗力が出てくる。緊張や動悸が強まる。 体温、血圧、血糖値の上昇、副腎皮質の拡大、リンパ組織の萎縮などがおこる。

抵抗期 対象のストレスに対してのみ積極的に抵抗する。他の刺激に対しては実は抵抗力が弱まっている。見た目には、慣れが出て、表面上は落ち着いているが、体は無理をしてバランスを保っている。

疲弊期 長期間のストレスで心身のエネルギーが枯渇し、倦怠感やバーンアウトが起こる。

医療福祉の現場での例

新しい職場に緊張していたが(警告反応期)、次第に慣れて仕事をこなせるようになる(抵抗期)。 しかし、過重労働や人間関係のストレスが続き、やる気が失われる(疲弊期)。

ストレスは一時的には成長を促す要因ですが、慢性化すると心身の不調に変わるという特徴があります。

③ タイプA行動パターン(Type A behavior pattern)

概念

常に時間に追われ、競争心が強く、完璧を求める傾向のある人の行動パターンです。

医師のフリードマンとローゼンマンが提唱し、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患のリスク因子としても注目されました。

特徴

いつも忙しそうにしている、他人にも自分にも厳しい、ミスを許せない、「早く・正確に・完璧に」を求めがち

医療福祉の現場での例

業務が終わっても記録を何度も見直してしまう。 他のスタッフの対応が遅く感じ、イライラしてしまう。 「自分がやらなければ」と抱え込み、休めなくなる。頼まれるとすべて引き受ける。頼まれなくても目についたらやらないと気が済まない。

メリットとデメリット

メリット:責任感が強く、仕事が早く、信頼されやすい。

デメリット:慢性的な緊張や焦燥感により、ストレス性疾患(高血圧・心疾患など)のリスクが上昇。

ちなみに、おおらかで、競争を嫌うなど、これと反対の特徴を持つ人をタイプBといいます。

まとめ

ストレス反応は「悪いもの」ではなく、人間が環境に適応するための自然なシステムです。

しかし、反応が慢性化したり、タイプAのような行動パターンが固定化すると、心身に大きな負担がかかります。

医療福祉に携わる人ほど、「頑張る」「我慢する」ことが当たり前になりがちです。

だからこそ、

自分の体や心のサインに気づくこと、意識的に「休む」時間をとることが大切です。

自分のストレス反応を理解することは、セルフケアにつながります。そして結局のところ、ストレスにうまく対処することこそが、結果的にいいケアを提供することにつながるのです。

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