セルフケアのすゝめ バーンアウトを避けるために

看護

 病院であれ福祉施設であれ、看護師として働いていると、人の役に立つやりがいを感じる反面、理不尽なことや気を使うことも多く、義務感が芽生え疲弊してしまうことも多くあります。

 看護師に限らず、介護士さん、相談員さんなど、直接人と接する職業である以上、避けては通れないでしょう。

 時には、休日も仕事のことが頭から離れず、休んだ気にならないということもあります。また夜勤がある方は、さらに自律神経が乱れやすい環境にあります。

 これらのことは仕事上、みんな同じ、みんな大変なんだから、仕方ないで終わらせてしまうかもしれません。

 しかしこれを放っておくと、適応障害やさらには鬱病に繋がってしまいます。早い段階で対処しておく必要があります。

対処方法

レベル1 「ちょっと職場のことでイライラする」段階

 

 職場でちょっとイライラすることがあった、こんな理不尽なことがあった、と言う時に、同僚と外で少しでも話する機会があったり、またどこか職場以外の場所に行きリフレッシュすることをおすすめします。

レベル2 「外に出たくないなあ」の段階。セルフケアのすすめ。

 外に行く元気はない場合は、家で休んで、掃除、洗濯、料理など、自分の生活に集中し、生活を整えることを意識することをおすすめします。

 この程度の疲弊感の時は、職場で利用者様のケアをすると同時に、自分自身を犠牲にしてしまっている可能性が高いです。また、利用者様のケアだけではなく、職場の組織の中において、例えば上司や同僚のためにと、自分でも知らないうちに自分自身を犠牲にしていることも考えられます。

 そのため、対策としては、休日など休める時は、しっかり休み、利用者様に行っているケアを自分自身にしてあげる必要があります。

 セルフケアといえばなんだかオシャレなヨガやら日光浴やら瞑想やら読書やら、思いつくかもしれませんが、それ以前の欲求がしっかり満たされていないことが多いです。

 その日1日は栄養のある食事、家をきれいにする、など、自分が住み心地の良い環境を整えることに注力します。自分自身にありがとうと言いながら。意外と、活力が戻ってくるでしょう。

 せめて、この段階までに、仕事の疲弊をとどめておけるよう、自身の疲労具合を俯瞰で感じることも必要です。

レベル3 「何もする気がおきない」段階

 

 常にストレスにさらされ、残業も多く、対人関係もうまくいってない職場環境に長時間身を置いてしまうレベルです。

 ここまでのレベルだと、家でもよく眠れず、食事やお風呂もめんどくさくなってしまっている可能性が高いです。出来合いのもので食事をすまし、湯船に浸からずシャワーで終わらせてしまっていないでしょうか。

 本来副交感神経が優位になるべき休息時間にも、交感神経が優位に働いてしまっており、一時的には仕事においても(かなり優秀な)パフォーマンスを発揮しますが、その後確実にバーンアウトします。

 バーンアウトした頃にはもう手遅れで、適応障害や鬱病に移行している可能性も高いです。

 この段階では、何が原因でこのような状況になっているのかすらも、自身の頭で考える力が残っていません。ここまでくると、心療内科など、専門家に診てもらうことをおすすめします。

まとめ

 大事なことは、自分自身で、自分が今どのくらいの疲弊感であり、対処方法は何かを客観的に見れるよう意識することです。

 そうすることで、自分自身の性格など新たな気づきもあり、このような場合にストレスを受けやすい、このような場合に無理をしすぎる傾向がある、など気がつけるようになります。事前に同僚や上司に相談することで、バーンアウトを避けることもできるのです。

 適応障害や鬱病については、介護士、看護師、など福祉に関わる専門職の方々がなりやすい疾病でもあります。そのため、また別に詳しく書ければと考えています。

 また、自分を客観的に知ることを、福祉の専門用語で「自己知覚」と言います。これについてもまた別に取り上げる予定です。

 自分自身を犠牲にしてしまわないように、心理学の視点を取り入れることも解決の一助になり得るでしょう。これについても今後、まとめられたらなと考えています。

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