社会福祉士の資格を取りたい、大学や専門学校に通いたい。でもどのようなことを勉強するんだろう。私は最初全然分からない状態で、手探りで学習を始めました。今回は、社会福祉士の学習はどのようなことを学ぶのか、そして私自身が学習を通して感じたことをまとめました。
福祉について知りたい!から始まった学習
私自身は、福祉について知りたいと言うかなり大雑把な理由で、この勉強を始めました。そのため学習前は正直なところ、何をどのように学ぶのか全く理解していませんでした。すべて専門学校にお任せして、少しずつ理解できていけばいいと思っていました。
①対人援助が基本、社会に対する理解とコミュニケーション能力の重要性
新しい知識やスキルを学べば学ぶほど、福祉の基本は人との関わり、と言うところに何度も行き着きます。また、医療職と異なり、クライエントを導く、と言うよりはクライエントと共に生き、クライエントの自主的な思いの変化を尊重する、と言った要素が強いように感じます。
ソーシャルワークの理論、コミュニケーション技術、相手を理解するマインド、その社会を理解するマインドなど、自分の価値観ではなくソーシャルワーカーとしての価値観をもって物事を判断するための知識、技術を学びます。
②社会情勢の歴史や現代の社会問題について
これらについてもソーシャルワークを行う上での基礎知識となるため、しっかり学習することができます。歴史を知ると今が分かり、現代の社会問題がどのように引き起こされているのか分かりやすくなります。
またこれらについて学ぶことで、今後日々変化する社会情勢や問題点について、目を向けやすくなります。私も学習を始める前と比べ、日々のニュースが以前より理解しやすくなり、ニュースに目を向け日々社会の動きをアップデートすることができるようになりました。
③専門的な各福祉分野の学習
各国の福祉を歴史的に見ても、いわゆる支援が必要とされる社会的弱者は、貧しい人、子ども、障害のある人でした。高齢者はやや優先順位は遅く(昔は現代ほど長寿ではありませんでしたから)、日本では高齢者がうんと増加して社会的な対応が必要となったため、少し後から福祉が発達してきました。
そのため現在主に学習する福祉分野は、貧困、児童、障害、高齢の分野になります。
私が現在働いている施設は、高齢福祉の分野にあたるので、知識としては、他分野はあまり必要ないかも、と思っていました。確かにメインの知識は高齢分野になるでしょう。
しかし、福祉というのはそれぞれの分野が密接に関わり合っていることがわかってきました。また、高齢のクライエントと接する際、その人だけでなくその方の歴史や家庭環境、現在の家族との関係性、社会とのつながりなどを理解する上で、他分野の知識は大いに生きてきます。
最後に。「社会福祉士は専門職である!」
これらの学習は、専門職として必要な知識、技術です。一般的に、社会福祉士の方々は、困った時に相談に乗ってくれる優しい人たち、という印象ですが、実はかなりの専門家であり、それが故に日々の研鑽も凄まじいものがあると感じます。
ソーシャルワークの歴史を見ても、「ソーシャルワークが専門職であるかどうか」の議論がなされた時期がありました。一度は「いまだ専門職ではないby Flexner 1915年」と言われたソーシャルワークも、1957年には「すでに専門職であるby Greenwood」と結論がなされています。
それだけ、この期間の間に、弱者を支え守る社会としての力が求められ、そのためにも専門的な立場からの介入が必要不可欠だと認められるようになってのかもしれません。人の尊厳はどのような立場でも守られる必要がある、と言った価値観が社会に浸透していったのでしょう。
社会福祉士は一言で言うと、「人の尊厳を守り、社会で生きる人々の生活を守る専門家」なのでしょう。この言葉はかなりの理想です。必ずどこかでジレンマが生じます。完璧はありませんし、完成系もないでしょう。しかしそれでも、諦めずにこの理想を目指し続けることが大切なのだと感じます。
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