看護師と社会福祉士、ダブルライセンス5つのメリット

福祉と医療

 看護師として働いていて、このままでいいのだろうかと不安になったりすることもあるでしょう。看護師と社会福祉士のダブルライセンスを考えている人もいらっしゃるでしょう。ダブルライセンスのメリットはあるのでしょうか?結論から言うと、待遇や給与面でのメリットはあまり期待しない方が良いです。しかし、福祉施設での仕事をする上で、役に立つことはたくさんあります。

 現在、社会福祉士の資格取得を目指して勉強している看護師である私が、社会福祉士を取得することでメリットがあるのかどうか、書いていきます。

社会福祉士取得を決めた経緯

 私は看護師、保健師免許を取得し、看護師として病院勤務をしたのち、高齢者福祉施設のデイサービスの看護師に転職しました。

 現在の職場は、介護老人福祉施設を中心として、デイサービスや訪問看護、居宅など、複数のサービスを提供している施設であり、デイサービス以外の職員たちとも、日常的に会話をすることがあります。

 これまで病院内の医療を中心とした視点しか知らず、何か他職種のものの見方や考え方が自分と違うように感じることがありました。しかしそれが何なのか明確にすることができず、福祉についてきちんと知りたいと思ったことから、社会福祉士の勉強をすることにしました。

ダブルライセンスのメリットについて

待遇や給与面について

 では、社会福祉士の資格を取得したとして、メリットはあるのでしょうか。一般的には、待遇や給与などについて考えるところだと思います。

 ダブルライセンスを取得している知人たちにも聞いたり、実際求人を調べたりしてみましたが、これらに関してはあまり期待はしない方がいいようです。

 もしかしたら、複数の資格を名乗ってその分に見合った待遇を与えてくれる、柔軟な考えを持った職場があるかも知れません。

 しかし、一般的には、どちらか一つの資格を名乗り、その資格者としての役割を果たすことがほとんどです。

地域包括支援センターでの活躍について

 社会福祉士の配置が必ず定められている施設が、地域包括支援センターです。福祉の仕事の中でも高齢者の生活を地域の中で支えたい、そのような仕事に就きたいと考えた場合は、新たに社会福祉士の資格を取ることで、看護師だけにとどまらず、その活躍の幅が広がるでしょう。

 しかし、私自身はすでに同じく地域包括支援センターでの配置が定められている保健師の資格も取得しています。つまり現段階でも、地域包括支援センターに転職することは可能です。

 ここまでのことを踏まえると、看護師(保健師)の資格がありながら、社会福祉士の資格を取ることには、あまりメリットがないように思えてきます。

 本当に何もメリットはないのでしょうか?

メリット①視野が広がる

 しかし、私は現在、社会福祉士の勉強をして良かったと思っています。

 一つに、視野が広がることが挙げられます。これまで医療的なことを中心として、その人の生活を見ることしかできませんでしたが、学びを深めたことで、その人の生活を支えることを一番に考えるという視点を持つことができました。これによって利用者様や他職種との会話でも、場合によって視点を使い分けて対応することができるようになり、仕事の質が高まりました。

メリット②コミュニケーション力がつく

 看護師業務においても、コミュニケーションは大事です。しかし社会福祉士の立場ではさらに広い範囲で様々な人たちとのコミュニケーションが求められます。様々な職種との連携や家族やその他の社会資源、行政、それらに関わる人たちとの日頃からの良好な関係が、いざという時の力になります。

 この考えを知り、また実習においてその実際を肌で感じたことにより、施設内での勤務においても、他職種や利用者様、またその家族との良好な関係を構築できるよう意識してコミュニケーションをとるようになりました。

 看護師としての勤務ではありますが、役に立っています。今まで逆に、相手から良い関係を作ろうと、気を遣われていたこともあっただろうなと反省しました。

メリット③他職種の立場を大事にできる

 社会福祉士はさまざまな職種の立場を知ることが重要です。そのことで、複数の視点からクライエントの生活を見ることができるし、またそれらの職種とのコミュニケーションにも繋がります。

 看護師は特に、他の職種の専門ではない、医療面が理解できるためか、福祉施設の中で優勢に立ってしまうことが多いようです。しかし、職種によって立場が違うため、職種で優劣が決まることではありません。

 私は勉強を深める中で、他職種のものの見方や考え方を明確にすることができ、それぞれの職種と対等に話をすることができるようになりました。相手の立場を知っていれば、こちらの立場のことを何も理解してくれない!と、イライラする必要もありません。

 相手の立場に立って、こちらの伝えたいことを相手にわかるように伝えれば良いのですから。

メリット④福祉の歴史や現在の社会保障、社会福祉の知識を生かせる

 福祉施設で働く上では、これらの背景を知っておくことに損はありませんでした。知識がある分、仕事する上で不安も減ります。利用者様の生活を支える施設であるのに、看護だけやってればいい、という訳にはいきませんから。

 それらは徐々に働きながら知っていけば良いのかも知れません。しかし集中的に高齢者以外の様々な福祉サービスや社会保障まで学べたことで、現在私が関わっている施設の働きや私自身の働きを俯瞰で感じることができ、自身の仕事にも自信を持つことができました。

メリット⑤医療面に詳しい社会福祉士として働くこともできる

 社会福祉士の学習を通して、様々な社会福祉士の方と関わる機会がありました。その方々が口をそろえて言われたことは、社会福祉士で、医療面の知識を持っている人は重宝されると言うことでした。転職にも有利ですし、また現在の職場においても必要不可欠な存在になる可能性を秘めているでしょう。

まとめ

 看護師と社会福祉士のダブルライセンスのメリットについて述べました。待遇や給与面ではメリットは少ないですが、社会福祉士の勉強を通して、特に複数の視点で考えることや、コミュニケーションなど、職業人、いや、人としてかなり成長することができたと感じています。もはや社会福祉士の免許を取らなくても、その勉強をすることが、仕事の助けとなっていると言えます。しかし、勉強した証拠をきちんと残すためにも、社会福祉士の免許を取り切るつもりです。

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